YNUプラウド卒業生文庫 荒牧 寅雄
荒牧 寅雄(あらまき とらお)
自動車業界の技術力向上に尽力。いすゞ自動車の社長としてグローバル戦略をいち早く取り入れた
経歴
1902年11月22日 | 福岡県田川郡糸田町に生まれる |
1926年 | 横浜高等工業学校(現・横浜国立大学理工学部)機械工学科卒業 |
1926年 | 東京帝国大学工学部助手 |
1928年 | 東京石川島造船所株式会社 自動車部入社 |
1937年 | 東京自動車工業株式会社 鶴見製造所設計課長 |
1944年 | ヂーゼル自動車工業株式会社 技術部次長 |
1946年 | ヂーゼル自動車工業株式会社 取締役 |
1952年 | いすゞ自動車株式会社 常務取締役 |
1962年 | いすゞ自動車株式会社 専務取締役 |
1966年 | いすゞ自動車株式会社 取締役副社長 |
1970年 | いすゞ自動車株式会社 代表取締役社長 |
1971年 | 米国ゼネラル・モーターズ(GM)と業務資本提携、GMグループ入りを推進 |
1976年 | いすゞ自動車株式会社 取締役会長 |
1980年 | いすゞ自動車株式会社 相談役 |
1994年8月8日 | 91歳で永眠 |
過去の主な役職
1947年 自動車技術会関東支部初代支部長
1962年 自動車技術会会長
その他、日本自動車工業会機械設備委員長、日本機械学会理事、日本自動車連盟理事、高速道路調査会監事、日本産業車両協会理事等を歴任
受賞・受章歴
1966年9月 藍綬褒章(自動車用高速ディーゼル機関の開発に寄与)
1973年4月 勲二等瑞宝章(科学技術振興功労・産業功労)
YNUプラウド卒業生 故 荒牧寅雄氏について
名教就美会副会長 松永 和彦
(昭和59年第二部機械工学科卒)
令和5年度プラウド卒業生となられました故 荒牧寅雄氏のご紹介を致します。故 荒牧寅雄氏は、1902年11月22日福岡県生まれ、横浜高等工業学校(現:横浜国立大学理工学部機械工学科)を1926年3月に卒業後、東京帝国大学工学部で助手として自動車に関する研究を行った後、1928年にいすゞ自動車株式会社の前身である、石川島造船所自動車部に入社。1970年に社長となり、その後、1994年8月8日永眠されました。
故 荒牧寅雄氏は、現在の日本の基幹産業となっている自動車業界の技術力向上、競争力強化のため「公益社団法人 自動車技術会」の創立世話人として主導的に活動されました。
その後、自動車業界の技術レベル向上の一環として「学術貢献賞」、「技術貢献賞」の賞創設に関して基金を提供するなど社会貢献を行っています。
1947年 自動車技術会創立趣意書
いすゞ自動車では、技術者として、多くの車両開発に携わりました。特にトラックやバスなどに搭載されたディーゼルエンジン開発では、高い性能と信頼性が評価されました。
その後、いすゞ自動車の社長としてグローバル戦略をいち早く取り入れ、1971年ゼネラルモーターズとの提携など、経営者としての手腕を発揮されました。
さらに、横浜国立大学卒業生として同窓会に基金等の提供を行いました。
主な著書
- 「くるまと共に半世紀」いすゞ自動車, 1979年
- 「たび路はるかに―続・くるまと共に半世紀」(上・下) いすゞ自動車, 1981年